春の訪れとともに、長野市内はここ数日の強風で桜が散り始め、県内の名所でも見頃が終盤を迎えています。今週末は天気が崩れそうなので、「今年まだ桜を見ていない」という方は、明日・明後日に天候を気にしながら足を運んでみるのもよいでしょう。
新生活のスタートや、冬の間に先送りしていたあれこれを始める春先は、住宅の点検・修繕のご依頼も増える時期です。とくに多いお問い合わせ内容は
・屋根・外壁の塗装工事:品質確保のため寒い時期は施工を控えています。
・雨樋の修繕:雪害で破損した箇所を梅雨前に直したい。
・壁紙クロス貼り替えなどの内装工事:3月中は多忙のため見送った、寒いときは避けたい。
・網戸の貼り替え:暑さまでには間があるが、カメムシなどの虫が入る前に対応したい。
いずれも、春から夏にかけて“快適な暮らし”のために欠かせないメンテナンスです。
事例紹介:スレート屋根の塗装と補修

左:屋根のひび割れ 右:釘の浮き
先日着工した千曲市内の現場は、前回の塗装から15~16年が経過したスレート(コロニアル)屋根。
初回は他社様で施工されたとのことですが、今回はご縁あって当社が担当しています。
左:屋根高圧洗浄 右:磁器タイル高圧洗浄■現地調査と仮設足場の設置
屋根の隅々まで点検するため、まずは高さ2m以上の仮設足場を設置しました。
足場がしっかりしていないと、職人の安全はもちろん、屋根の状態を正確に把握することもできません。
当社では現場調査時に屋根材や劣化状態を細かくチェックし、必要な工程を適正に見積もります。
■劣化の確認
今回の現場では、南面では紫外線による塗膜の色あせ、北面では日陰と湿気によるコケ・カビの繁殖が目立ちました。
屋根のひび割れは、吸水した屋根材が急激に乾燥する温度差や、風圧などの物理的負荷が原因です。
劣化状況を正確に把握することで、適切な補修材や塗料の選定に直結します。
■高圧洗浄
屋根・外壁の表面に付着した汚れや古い塗膜を、高圧洗浄機で徹底的に除去します。
この下地処理が不十分だと、新しい塗膜の密着が不完全となり、数年での剥がれや浮きの原因になりかねません。
美しい仕上がりと長持ちする塗装には、高圧洗浄の丁寧さがよりいきてきます。
■ひび割れ補修と釘浮きの補強
スレート屋根のひび割れ部分には、専用の補修材を用いて強度と見た目を回復しました。
また、経年で緩みがちな棟板金や雨押えの釘を全て打ち直し、屋根全体の防水性をしっかり確保。
細部まで丁寧に補修することで、塗膜の防水性と仕上がりの美しさを両立させます。
■付加価値塗料の選定
最近では、防汚・防カビ・防藻性能に加え、遮熱性や耐候性の高い塗料が求められています。
今回の現場では、夏場の屋根裏の温度上昇を抑える遮熱塗料を採用し、屋根裏が「サウナ」化していた問題を解決しました。
当社では必ず使用する塗料のメーカー・品番を明記し、カタログをお見せします。
「オリジナル塗料」といった根拠のない表現は一切使わず、安心・納得の塗装プランをご提案しています。
また、来週からは一部地域でしろくまペイントのチラシ配布も始まります。ホームページからのお問い合わせもお待ちしております!
夏の悩み「物置が暑すぎる」を解消するには
春先のメンテナンスと並んで、夏に多いご相談が「物置の内部温度が高くて使えない」というもの。
なぜ物置は真夏に“サウナ”のようになってしまうのでしょうか?
その原因と対策をまとめます。
主な原因と構造的背景
■金属素材の熱伝導
物置はスチールやアルミなど熱伝導率の高い金属でできているため、屋根や壁が太陽光を浴びるとすぐに内部まで熱が伝わります。
木造の建物と違い、金属は太陽熱をすばやく吸収・放出する性質を持つため、真夏の物置内は屋外気温を超える「高温空間」になるのです。
■換気不足
物置は防犯や雨風対策として密閉性を重視した設計が多い一方、換気口や通気口が十分でないこともあります。
一度こもった熱気は抜けにくく、日没後もなかなか温度が下がらない原因になります。
風通しの悪さは、湿気やカビの原因にもなるため、注意が必要です。
■設置場所の日射
物置が南向きや西日の強い場所に設置されている場合、日中ずっと直射日光を受けることになります。
特に壁際や建物からの反射光が集中する位置では、照り返しも加わって屋根・壁の表面温度が極端に上昇。
これにより、内部空間は“屋外以上のサウナ状態”になってしまいます。
■収納物自体の発熱
物置内に収納されているバッテリー・化学薬品・電動工具などは、使用・保管時に微弱な発熱をする場合があります。
通常なら気にならないレベルの発熱でも、断熱性のない物置空間では徐々に蓄積されて温度上昇の一因に。
熱源を抑えるためにも、発熱する道具は物置に入れっぱなしにしないのが賢明です。
暑さ対策の3本柱:断熱・遮熱・換気
■断熱
断熱は、内壁や天井にスタイロフォームやグラスウールなどの断熱材を施工することで、外気からの熱を室内に伝わりにくくする役割を果たします。
屋根裏部屋や物置でも、屋外の暑さがそのまま内部に伝わるのを防げるため、温度上昇を抑える基本対策として有効です。
特に、断熱材の厚みや施工精度が重要で、しっかり断熱すれば夏だけでなく冬の結露対策にも役立ちます。
■遮熱
遮熱は、太陽光が直接屋根や壁に当たった際に発生する熱の侵入を反射的に抑制する手法です。
具体的には、屋根・外壁に遮熱塗料を塗る、もしくは遮熱シートやフィルムを後付けすることで、表面温度の上昇を防止します。
断熱とは異なり、太陽光そのものをカットする効果があるため、直射日光が強い物置や倉庫には特に効果的です。
■換気
換気は、断熱や遮熱では防ぎきれない「室内にこもった熱気」を逃がす仕組みです。
例えば、換気扇を設置する、通気口を増やす、扉部分に換気ファンを設けるなどで、屋外の涼しい空気と内部の熱気を入れ替える効果が期待できます。
夏の夜間でも熱気が残りやすい物置だからこそ、換気の工夫は欠かせない要素といえるでしょう。
収納物と湿気対策
■温湿度に弱い物の管理
物置に収納する際にまず気をつけたいのは、湿気や温度変化に弱い物を避けることです。
たとえば、紙類・布製品・食品・乾電池などは、湿気でカビや腐敗が進みやすい代表例。
夏場はサウナのような高温になり、冬場は結露が発生しやすい物置内では、こうしたデリケートな物は屋内保管に切り替えるのが賢明です。
「屋内に移すだけでも、物の寿命と安全性が格段に変わる」という意識を持つことが大切です。
■棚と隙間配置
収納物の配置にもひと工夫が必要です。
棚を使って床から物を浮かせ、通気層を確保することで、湿気によるカビ・サビのリスクを減らせます。
また、物と物の間に適度な隙間を空けて風の通り道をつくるのもポイント。
ぎっしり詰め込むのではなく、“空気が動く”収納を心がけるだけで、湿気トラブルはかなり防げます。
除湿器・吸湿剤の活用
物置内の湿度が高いと感じたら、電源式の除湿器や置くだけタイプの吸湿剤を積極的に使いましょう。
電源式除湿器は大量の水分を効率的に除去できますし、吸湿剤は手軽に湿度管理をサポートしてくれます。
特に梅雨や台風シーズンなど、一時的に湿度が急上昇する時期は必須の対策です。
定期的に吸湿剤の交換や除湿器のメンテナンスも忘れずに行うと、効果が長持ちします。
安全な作業のために
物置内で整理や作業をする際は、室温が50℃近くになる場合もあります。
・こまめな水分補給
・朝夕の涼しい時間帯に作業
・帽子や冷却タオルの着用
・扇風機・ポータブルクーラーの持ち込み
これらを踏まえて対策をとれば、暑さを大幅に軽減できます。
快適な物置環境が整えば、収納の幅も広がり、暮らしの質が向上するはずです。
春から夏にかけて、住宅と暮らしを守るメンテナンスは増えますが、しっかり備えておけば安心です。
屋根・外壁塗装から物置の暑さ対策まで、気になることがあればぜひお気軽にご相談ください。