しろくまペイントの日々の活動日記。

長野市古民家リフォームのようす

古民家のリフォームに興味があっても、「どこから手をつけて良いのか分からない」「どれくらい費用がかかるの？」「補助金って使えるの？」といった疑問を抱える方は多いのではないでしょうか。

古民家は築50年以上の木造住宅であることが多く、独特な構造や素材が使われている分、通常の住宅リフォームとは異なる配慮が必要です。
一方で、リノベーションによって古き良き佇まいを活かしながら、現代の快適性を加えることも十分に可能です。
今回は、古民家リフォーム事例です。

長野市の古民家リフォームについて

長野市にて古民家のリフォームが始まっています。
しろくまペイントでは、古民家リフォームはじめ、蔵の改修工事、お茶屋さんなどの日本家屋の新築など、さまざまな実績があります。
今回は山間にある古民家です。
何年も放置されており屋根は錆び・床はぶかぶかと言う状況となっていました。
今回、家主さんが古民家を会社の研修施設に使用するという事で全面改修する運びとなりました。
床を剥がしたら床下はこのような状態になっていました。
現状、土もかなり湿気を含んでいますので新たな部材を入れても将来的に湿気の被害を受けてしまう可能性が高いので、新たにコンクリート打設します。

古民家リフォームとは？一般住宅との違いを知ろう

古民家ならではの魅力と課題を理解することが第一歩

古民家リフォームとは、築50年以上経過した木造住宅に対して、現代の暮らしに合わせた改修工事を行うことです。
古民家の多くは、伝統的な建築様式が色濃く残されており、太い梁、土間、漆喰壁、和室の続き間などが特徴です。

古民家リフォームの目的と利点

古民家は、日本の気候風土に合わせて建てられた、木のぬくもりや美しい梁、土間、縁側など独特の魅力を持つ住まいです。
しかし同時に、築年数が長く、現代の暮らしには対応しきれない構造的な課題も抱えていることが多いため、計画的なリフォームが重要になります。

昔ながらの美しい意匠を残しながら快適な住まいを実現

古民家には、現代住宅では再現しにくい太い梁や土壁、建具、瓦屋根、障子、欄間といった和の意匠が数多く残されています。
これらを可能な限り活かしつつ、断熱性・気密性・設備面などを現代仕様に整えることで、「昔の美しさ」と「今の快適さ」を両立した住まいが完成します。
「古いけれど不便じゃない」
「趣があるけれど、寒くない」
そんな暮らしを目指す方にとって、古民家リフォームは理想的な選択肢です。

空き家を活用して田舎暮らしや二拠点生活に

近年、都市部から地方への移住や、週末の“田舎拠点”としての二地域居住を希望される方が増えています。
その中で注目されているのが、空き家となっていた古民家を再生して住まいに変えるという方法です。

◆のどかな自然に囲まれた生活
◆四季の移ろいを感じるゆとりある住まい方
◆自分たちの手で家を育てる楽しみ
など、都会では得られない価値や体験が、古民家リフォームを通して叶えられると、幅広い世代から支持を集めています。

地域資源として再生し、宿泊施設や店舗として活用する事例も多い

古民家は単なる「住宅」としての価値だけでなく、地域の歴史や文化を伝える資源としても高く評価されています。
そのため、近年ではリフォームによって、

◆民宿やゲストハウス
◆カフェやレストラン
◆ギャラリーや工房
といった観光・地域交流・商業活用の場として古民家を再生するケースも非常に増えています。
外観や間取りに味わいがある古民家は、唯一無二の空間演出ができることも魅力で、国内外の旅行者からも高い関心を集めています。

快適に暮らすには「構造・設備の見直し」が重要

ただし、古民家の多くは築50年以上が経過しており、

◆断熱材が入っていない
◆耐震基準を満たしていない
◆給排水管が腐食している
◆電気配線が古く容量不足
といった現代住宅にはない機能的な課題が多く残っています。
そのため、リフォームでは建物全体のバランスを見ながら「どこを残し、どこを強化・交換するか」の判断が非常に重要になります。
特に、耐震補強と断熱性能の向上、配管・配線の更新は、快適性と安全性を保つうえで欠かせないポイントです。

古民家リフォームの費用相場

300万円〜2000万円超まで！内容と規模で大きく変動

古民家リフォームの費用は、工事の内容や規模によって非常に幅があります。
部分的なリフォームで済むケースもあれば、構造補強を含む大規模なリノベーションが必要になるケースも。

費用目安と内容の早見表

※地域・構造・築年数・既存状態により変動します。現地調査と見積もりが必須です。

古民家リフォームの代表的な工事内容

構造・設備・性能向上をセットで考えるのが基本

古民家はただ「直す」のではなく、「住み継ぐために必要な性能を足す」という視点で工事を進めるのが理想です。

主な工事内容と目的

古民家は味わい深く魅力的な空間である一方、現代の住宅基準から見ると機能面に大きなギャップがあります。
そのため、リフォームでは「安全性・快適性・機能性」の3点をしっかり押さえた工事内容が求められます。
ここでは、特に重要となる工事項目とその目的をご紹介します。

水回りの交換

古民家では、キッチン・浴室・トイレ・洗面といった水回りの設備や配管が30〜40年以上前のものというケースも少なくありません。
古い給排水管は内部が腐食していたり、勾配が悪く詰まりやすい状態になっていることが多く、衛生面でも不安が残ります。

リフォームでは、設備の入れ替えだけでなく、床下や壁内の配管自体を新しくすることが推奨されます。
これにより、水漏れリスクを減らし、現代的な暮らしに必要な清潔さと快適性を確保できます。

断熱工事

昔の家は通気性が高く、夏は風通しが良くて涼しい反面、冬は非常に寒いのが特徴です。
また、断熱材が一切入っていないことも多く、冷暖房効率が非常に悪くなりがちです。

そのため、リフォームでは壁・床下・天井に断熱材を充填するほか、内窓（二重窓）の設置、玄関や窓の気密性向上などを行います。
これにより、冬は底冷えを防ぎ、夏も室温の上昇を抑えることができ、省エネ効果も大きくなります。

耐震補強

築年数の古い木造住宅は、現行の建築基準法（1981年以降）に適合していないことが多く、耐震性に大きな不安があります。
特に、基礎に鉄筋が入っていない・柱や梁の接合部が弱い・筋交いが不足しているなど、目に見えない部分に問題を抱えているケースが多いです。

リフォームでは、耐震診断に基づいて、構造金物の追加、壁の耐震補強、基礎の補修・補強などを行い、万が一の地震でも倒壊しにくい構造へと改善します。

間取り変更

古民家の間取りは、続き間の和室が多く、居住空間と生活動線が分かれにくい造りになっていることが一般的です。
また、キッチンや浴室が北側にあって暗かったり、収納が極端に少ない場合もあります。

リフォームでは、和室の一部をLDKに変更したり、水回りを明るい南側へ移動したりと、今の生活スタイルに合わせた再構成が可能です。
バリアフリー設計や将来の介護を見据えた間取りも検討できます。

電気・配管設備の更新

築数十年の古民家では、コンセントの数が少ない・アースなしの2口コンセント・照明が蛍光灯のみといったケースが多く見られます。
また、分電盤が古いままだとブレーカー容量不足や漏電のリスクが高まるため、火災の原因になることも。
このため、配電盤の更新・分岐の見直し・アース付きコンセントの増設・照明のLED化などが不可欠な工事となります。
電気容量を適切に確保することで、IH調理器やエアコンなどの導入もスムーズになります。

古民家リフォームで注意すべきポイント

一般住宅と違う構造・素材だからこその注意点がある

古民家リフォームでは、特有の技術や知識が求められます。一般的なリフォーム業者では対応しきれないケースもあるため、以下の点に注意しましょう。

注意点一覧

古民家リフォームは、「再生」と「保存」を同時に行う複雑な工事です。
趣きや雰囲気を活かしつつ、現代の安全基準・快適性に整えるには、事前の把握と柔軟な対応力が問われます。
以下では、実際に施工するうえで押さえておくべき主な注意点をご紹介します。

構造や材料の把握が必要

古民家の多くは、現代の在来工法とは異なる伝統構法（軸組み・真壁・土壁など）で建てられており、無垢材や竹、漆喰といった自然素材が多く使われています。
これらの材料は湿気や温度変化に敏感で、知識のない施工によって割れや歪みを引き起こす恐れもあります。

そのため、古材の再利用、土壁の補修、和風建具の扱いなどに慣れた大工や職人が関わることが不可欠です。
安易に現代の建材と混ぜて施工すると、素材同士の相性で仕上がりに差が出たり、不具合が起きやすくなるため注意が必要です。

建築基準法に適合させる必要がある

築年数の古い建物は、当時の基準に沿って建てられているため、現行の建築基準法には適合していないケースがほとんどです。
特に、大規模な間取り変更・増改築・耐震補強などを行う場合には、建築確認申請が必要になることがあります。

たとえば、壁を取り払って広いLDKをつくりたい場合、構造のバランスや耐力壁の配置が変わるため、構造計算や役所への届け出が発生する可能性があります。
設計段階から法令を意識し、建築士や行政と連携してリフォーム計画を進める体制が重要です。

解体してみないと分からないことが多い

古民家は、外から見える部分がきれいでも、内部の柱・梁・基礎・配管が劣化していることが少なくありません。
実際の工事では、「床を剥がしたら土台がシロアリ被害に遭っていた」「壁を外したら構造材が腐っていた」といった想定外の補修が必要になるケースがよくあります。

こうした事態に備えて、事前に予備費（追加工事用の費用）として全体予算の10～20％程度を見込んでおくことが現実的です。
見積もり段階でも、「追加が出る可能性がある場所」として説明を受けておくと、後のトラブルを防げます。

文化財登録・景観条例に注意

古民家の中には、地域の景観保護区域や、文化財登録されている建物も存在します。
こうした物件では、外観の大幅な変更が制限される・色や材料が指定されている・窓の位置が変えられないといったルールが存在する場合があります。

また、市区町村によっては「景観形成条例」や「伝統的建造物群保存地区」に該当している場合もあり、事前に自治体への確認が必要です。
外壁塗装や屋根の張り替えも、届出が必要になることがありますので、設計段階で慎重な対応が求められます。

補助金・減税制度も活用できる

古民家リフォームには自治体支援や国の制度も活用できる

国や自治体では、省エネ改修や耐震補強を目的としたリフォームに対する補助金・減税制度を設けています。

代表的な支援制度一覧

制度は年度ごとに変わるため、早めの情報収集と申請準備がカギです。

古民家リフォームを成功させるポイント

事例と信頼できる業者選びがカギ！

せっかくの古民家。どうせなら「味のある風合い」を残しながら、今どきの快適さも手に入れたいですよね。

リフォーム成功のためのポイント5つ

古民家リフォームは、新築や一般的なリフォームとは違い、「残す技術」や「読み解く力」が問われる工事です。
趣のある空間を活かしながら、現代の生活にフィットさせるには、事前の準備と方針の明確化が何より重要となります。
以下では、工事を成功させるために押さえておきたい5つの基本ポイントをご紹介します。

1. リフォームの目的を明確にする

まず大切なのは、「この家を何のために再生するのか？」というリフォームの目的をはっきりさせることです。

◆ご家族で暮らすための住まいにするのか
◆週末利用のセカンドハウスか
◆宿泊施設やカフェなどの商業活用か
目的によって必要な工事の中身も大きく変わってきます。
たとえば店舗利用であれば、厨房の動線や集客性・法的な基準にも配慮が必要ですし、居住用であれば断熱性や耐震性、バリアフリー対応などが重視されます。

方向性が定まっていないまま着工してしまうと、後戻りや追加工事が発生するリスクもあります。
まずは「どんな暮らしや使い方をしたいのか」をご家族でじっくり話し合い、共有しておくことが、成功への第一歩です。

2. 「残す」部分と「直す」部分を整理する

古民家の最大の魅力は、時代を超えて残された意匠や素材の味わいにあります。
ただし、それをすべて残すわけにもいきません。安全性や利便性の観点から、一部は新しく補強・交換する必要があります。
このとき重要なのが、「残す勇気」と「直す見極め」です。
例えば、

◆味のある梁や柱は洗浄・磨きだけで活かす
◆土壁は一部だけ漆喰に変更し、和の雰囲気を残す
◆建具や障子は一部再利用し、既製品と調和させる
といったように、古さを無理に消さず、活かしながら整える設計が満足度の高い空間につながります。

3. 実績のある古民家リフォーム業者を選ぶ

古民家特有の構造や素材を扱うには、それ相応の経験と知識が必要です。
土壁や真壁構造、伝統的な木組みの補修、古材の扱いなどは、現代住宅とは施工方法がまったく異なります。

見極めのポイントとしては、
◆古民家リフォームの実績があるかどうか
◆伝統構法に詳しい職人や建築士がいるか
◆地域の気候や文化に精通しているか
といった要素を確認することが重要です。
依頼前には過去の施工事例を見せてもらい、「この業者なら信頼できる」と思えるパートナーを選びましょう。

4. 建物調査を入念に行う

古民家は築年数が長いため、外からは見えない傷みが隠れていることも多々あります。

◆土台や柱の腐食
◆基礎の沈み・割れ
◆シロアリ被害
◆小屋裏の雨漏り跡
◆床下の湿気とカビ
これらを事前に見落とすと、着工後に大きな追加工事が発生してしまう原因となります。
工事前には、専門業者による詳細な現地調査とインスペクション（建物診断）を行い、補強が必要な箇所・保存可能な部材の判断をつけておくことが大切です。

5. 予算と補助金を含めた資金計画を立てる

古民家リフォームでは、**工事中に「開けてみて初めて分かる劣化」や「見積もりに含まれていない補修」**が出てくることが珍しくありません。
そのため、初期見積もりだけで判断せず、工事費の10～20％程度の予備費を見込んでおくことが安心です。
また、地域によっては、
◆古民家再生支援制度
◆空き家改修補助金
◆耐震改修助成金
など、行政や自治体による補助金制度が使えるケースもあります。
早い段階で業者と相談し、活用できる補助制度を確認したうえで、トータルの資金計画を立てることが賢明です。

古民家リフォームで理想の暮らしを手に入れよう

古民家リフォームは、手間も費用もかかる一方で、現代の住宅では得られない魅力と愛着のわく住まいづくりができます。
しっかりと構造を見極め、計画的に工事を進めれば、「古民家×快適さ」という理想のバランスを実現できます。

古民家リフォームのポイント
◆工事費用は300万円〜2000万円超と幅がある
◆水回り、断熱、耐震、間取り変更などが主な内容
◆一般住宅とは違う構造・法規制・工法に注意
◆補助金や税制優遇制度も積極的に活用を
◆古民家リフォームに強い業者選びが成功のカギ
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