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日々の活動日記
長野市内で外壁塗装の現調にお伺いしました『外壁の劣化・外壁のひび割れ』

目次
長野市内で外壁塗装の現調にお伺いしました
現調地域 | 長野県長野市 |
現調場所 | 一般戸建て住宅 |
現調内容 | 屋根、外壁、破風板、軒天、木部等の塗装 |
現調経緯 | お客様からのご紹介 |
10月に入り、いよいよ秋も本番。
紅葉を目当てに長野市内は他県ナンバーの車で混雑し、戸隠高原や奥裾花自然園、須坂市の米子大瀑布といった名所では、観光客の姿も多く見かけました。
この三連休は天候も落ち着いており、現地調査にはちょうどいい日和でした。
今回は、取引先のお客様からのご紹介で、長野市内の戸建住宅に外壁の現調へ伺ってきました。
こちらの建物は過去にリフォームや増改築をしており、塗装が必要な外壁面積は全体の3分の1程度。
主にトタン製サイディングが使用されており、増築部分のトタンは比較的新しく、目立った劣化はありませんでした。
しかし、新築時からの既存サイディングには、以下のような症状が出ていました:
・表面に白い粉が付着する「チョーキング現象」
・サイディングを固定する釘の浮きとサビ
・木材部分の紫外線による退色や劣化
とくにチョーキングは、紫外線や風雨により塗膜が劣化し、粉状になって表面に残るサインです。
これは「防水性能の低下」が始まっている証拠であり、そのままにしておくと汚れが付きやすくなったり、カビ・藻の発生リスクも高まります。
「築10年で塗り替え」は本当に正しい?

塗り替え時期10年目安?劣化の症状で確認
新築のときはピカピカだった外壁も、気がつけば何となく色が抜け、指で触れると白い粉がつく。
「でも築10年って聞くし、まだ大丈夫かな」「ご近所は15年でやったらしいし」こんなふうに“築年数だけ”を手がかりに迷子になる声を、私たち塗装店は毎日のように耳にします。
実は外壁塗装のベストタイミングは経過した年数と塗料と外壁材の性能、立地環境、そして劣化のサインが絡み合って決まるため、「10年」「15年」といった数字だけでは判断できません。
築10~15年説はなぜ広まったのか?
日本の住宅業界を席巻した“10年神話”の正体
日本の戸建ては1980年代以降、「10年保証ですので10年で塗り替え」という図式が定着しました。
これは新築時に多く採用されたウレタン・アクリル系塗料の耐久年数が7~10年だったこと、そして住宅メーカーの無償点検が10年で終わることが重なった偶然の産物です。
実際には塗膜を長持ちさせるシリコン系・フッ素系が増えた現在、同じ10年でも“まだ半分も性能が残っている”家と“すでに防水力がゼロに近い”家が混在しています。
そのズレが、リフォーム時期の判断を難しくしている最大の要因といえるでしょう。
塗装サイクルを左右する四つのカギ
塗料グレードで変わる「保護層」の寿命
外壁の塗装サイクルを最も大きく左右するのが、使用する塗料のグレードです。
耐久性は①アクリル②ウレタン③シリコン④ラジカル制御シリコン⑤フッ素⑥無機ハイブリッドの順(数字の大きい方がグレードが高い)に向上し、たとえばアクリルは5〜8年で色あせるのに対し、無機系塗料は20年以上“塗りたての美観”を維持するケースもあります。
同じ塗装工事でも、グレード次第で次のメンテナンス時期が倍以上変わるため、コストではなく「長期視点での価値」で選ぶことが重要です。
なお、サイディングは水に弱く防水性の維持が最重要、モルタルはひび補修を重視と、素材によっても選ぶべき塗料の性能軸が変わります。
塗料グレード | 期待耐用年数 | 平均コスト(30坪・足場込) | 色あせ耐性 | 防水性 | こんな家におすすめ |
---|---|---|---|---|---|
アクリル | 5~8年 | 60万~80万円 | △ | △ | 将来建て替え予定の人 |
シリコン | 10~15年 | 90万~120万円 | ○ | ○ | 一般的な戸建てに最多 |
ラジカル制御シリコン | 12~16年 | 100万~130万円 | ◎ | ◎ | 紫外線が強い地域 |
フッ素 | 15~20年 | 130万~160万円 | ◎ | ◎◎ | 高層・塩害地域 |
無機ハイブリッド | 18~22年 | 150万~200万円 | ◎◎ | ◎◎ | 次世代まで塗り替え回数を減らしたい |
外壁材と下地「サイディングは早く、モルタルは遅い理由」
窯業系サイディングは工場仕上げの塗膜が薄く、水を吸うと凍害や反りを起こしやすいため、防水切れが早いのが弱点。
一方、モルタル壁は厚みがあり吸水を内部で緩衝できるため、ひび割れさえ補修すれば長持ちする傾向があります。
この差が、同じ築年数でも塗装の緊急度が変わる一因です。
気候ストレス「紫外線・塩害・凍結融解のダメージ」
どれだけ高性能な塗料を使っても、外壁が受ける環境ダメージによって劣化速度は大きく変化します。
例えば、南向きの壁は北面の約2倍の日射を浴びると言われ、紫外線により塗膜の樹脂が破壊され、チョーキング(粉化)や色あせが早期に発生します。
沿岸部では塩分が結晶化して塗膜を内側から押し広げ、膨れや剥がれを招くほか、寒冷地では凍結と融解の繰り返しによるクラック(ひび割れ)が生じやすくなります。
立地環境に応じた塗料の選定と、塗装時期の見極めが寿命を左右するカギです。
劣化サインを読む「チョーキングとヘアクラックの見分け方」
塗装の劣化は目に見えるサインとして現れます。
中でもわかりやすいのがチョーキング現象で、外壁を指でこすったときに白い粉がつく状態は、塗膜が紫外線により分解され、防水・保護機能を失っている証拠です。
また、0.3mm未満のヘアクラック(細かいひび割れ)も要注意で、この時点で塗装するのが最も合理的なタイミングです。
0.5mmを超えると雨水が内部に侵入し、木材や断熱材を腐らせる原因となり、塗装だけでは対応できない大工工事に発展するリスクも。
劣化の“見極め”が、結果的にメンテナンスコストを抑えるポイントになります。
築年数と劣化サインで判断する実践フローチャート
5年目点検で“剥がれの芽”を摘む
新築から5年ほど経過すると、サイディング外壁の継ぎ目(目地)や窓周りのシーリング材が、紫外線や温度差により硬化・収縮を始めます。
この段階で現れる劣化はまだ軽微で、ヘアクラックや微細な隙間が主なサインですが、ここでシーリングの「打ち替え」や「増し打ち」など適切な処置をすることで、雨水の侵入を防ぎ、外壁材そのものの寿命を守ることができます。
結果として、後の塗装サイクルを2〜3年延ばすことも可能です。
小さな異変に気づけるかどうかが、将来のメンテナンスコストを分ける最初の分岐点となります。
7~10年目は「防水切れ」危険域
この時期になると、塗膜の経年劣化が顕著になり、表面の艶消失・チョーキング(粉化)・色ムラ・水染み跡などが現れ始めます。
表面からは水が弾かれず、雨が降るたびに外壁材が水を吸っては乾くという「繰り返しストレス」にさらされ、下地がじわじわと劣化していきます。
このタイミングで塗装を行えば、下地補修は最小限で済み、施工費用も抑えられるベストタイミング。
「見た目はまだ大丈夫」に惑わされず、防水性という目に見えない性能の衰えを察知することが重要です。
15年以降は下地補修セットで考える理由
築15年を超えると、外壁表面の劣化だけでなく、内部構造や下地材そのものに問題が生じているケースが急増します。
たとえば、窯業系サイディングでは反りや浮き、割れが起きやすくなり、モルタル壁ではクラックが塗膜を越えて基材へと進行していることも珍しくありません。
この段階では塗装だけでは不十分で、ビスの打ち直し、部分張り替え、下地処理など複数の工程が必要になるため、追加費用が20〜40万円に達することも。
放置すればさらに大規模な補修へと発展するため、「見積もりが高いから」と先送りにせず、早めに手を打つことが結果的に最小コストにつながります。
コストと耐用年数の損益分岐点を数字でつかむ
「安い塗料を短期で何度も」は本当に得か?
仮にアクリル(60万円・耐用8年)とシリコン(100万円・耐用13年)を30年間で比較すると、
アクリル:60万円×4回=240万円
シリコン:100万円×2回+10年目の洗浄10万円=210万円
長期ではむしろシリコンの方が30万円安く、足場を組む回数も半分に。“初期費用”より“生涯費用”を基準に選ぶと、意外な逆転劇が見えてきます。
事例:北信濃・築12年サイディング住宅を守った“早め塗替え”
雪国特有の凍結融解ストレスに打ち勝つ
長野県飯綱町、冬はマイナス10℃に達する地域。築12年で外壁の継ぎ目が開き、サイディング裏に霜柱ができていました。
早期にラジカル制御シリコンで再塗装+目地打ち替えを行った結果、4年経った現在も色あせゼロ。
施主様は「暖房効率が上がり光熱費も下がった」と体感的なメリットを語っています。
メンテナンスと点検を“暮らしの習慣”にするコツ
外壁が“言葉”を発する前に聞こえてくるサイン
雨の日に10分だけ家の周囲を歩いてみてください。壁を伝う雨水が筋状に黒い・ツーっと一点集中で流れる・目地から泡が出る.
これらは塗膜の撥水切れを示す“無言の悲鳴”です。半年に一度の“雨の日点検”を家族のルーティンにするだけで、修繕費を十万円単位で抑えられます。
築年数は“目安の物差し”、最終判断は“わが家の声”で
外壁塗装は築年数という数字だけでは決められない多変数のメンテナンスです。
・塗料グレードで寿命が倍以上変わる。
・外壁材と気候が劣化スピードを左右する。
劣化サインを見つけたら年数にかかわらず即検討。
これらを踏まえ、自宅の状態を「見て・触って・感じて」判断すれば、塗装は“無駄な出費”から“未来の資産を守る投資”へと変わります。
次の休日、ぜひ外壁を撫でながらわが家の声に耳を澄ませてみてください。色が少しでも褪せ、指に粉がつくなら、その瞬間が最良の塗り替えタイミングです。