しろくまコラム SHIROKUMA COLUMN
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コラム
室内木部の塗装費用を徹底解説|和室・建具・柱の塗り替えはいくらかかる?
ふと天井を見上げたとき、「柱が黒ずんでいる」「窓枠の色がくすんでいる」「梁の木目が汚れて見える」
そんなことに気づいたことはありませんか?
室内の木部は、年月とともに日焼けや湿気、手の脂などの影響で少しずつ色が変わっていきます。
新築のころのような艶やかさや温かみが失われると、部屋全体の印象まで古びて見えてしまうものです。
そんなときに効果的なのが「木部塗装」です。
見た目を美しくよみがえらせるだけでなく、木材を保護し、カビや乾燥による割れを防ぐ効果もあります。
とはいえ、実際に塗装を依頼するとなると「どのくらい費用がかかるのか」「どんな部分にお金がかかるのか」が分かりづらいですよね。
この記事では、室内木部塗装の費用相場を、実際の施工経験に基づいて詳しく解説します。
「6畳の和室ならいくら?」「扉や窓枠だけでも頼めるの?」といった具体的な疑問にも答えながら、費用を左右するポイントと、損をしない見積もりの取り方までわかりやすくまとめました。
目次
室内木部塗装の費用相場
まずは全体の目安から見てみましょう。
室内木部の塗装費用は、1平方メートルあたり約1,800〜3,500円が一般的な相場です。
ただし、この金額は塗る部位や塗料の種類、下地の状態によって前後します。
たとえば、6〜8畳ほどの和室をまるごと塗り替える場合は5万円前後、古民家のように柱や梁が多い部屋では10万円以上になるケースも珍しくありません。
一方で、部分的な塗装。
たとえば扉1枚や窓枠だけなら、数千円からでも対応可能です。
下の表は、主な部位ごとのおおよその単価をまとめたものです。
| 施工部位 | 単価(目安) | 補足説明 |
|---|---|---|
| 木部全般(室内枠・建具など) | 約2,400〜3,500円/㎡ | 柱・梁・ドア枠など一般的な木部 |
| 窓枠・巾木 | 約2,000〜3,000円/㎡ | 細部を含む丁寧な塗り仕上げ |
| 木製扉(両面) | 約18,000〜24,000円/枚 | ペンキ仕上げやニス仕上げで価格差あり |
| 木製建具 | 約7,000円〜/枚 | 折戸や引き戸など可動部分含む |
| 窓枠(木製) | 約800円〜/m | 短い区間でも依頼可能 |
| 6〜8畳の和室全体 | 約50,000円〜 | 柱・鴨居・長押など含む |
| 古民家(柱・梁多め) | 約100,000円〜 | 木部が多く施工範囲が広い |
このように、同じ「室内木部塗装」でも範囲によって大きく費用が異なります。
では、なぜこんなに差が出るのでしょうか?
費用が変動する4つの要因
室内木部の塗装費用が現場ごとに変わるのは、「木の状態」「作業の手間」「塗料の種類」「養生の範囲」がそれぞれ異なるためです。
以下の4つが、価格を左右する代表的な要因です。
1. 下地処理の必要性
塗装前に行う「下地処理」は、仕上がりを大きく左右します。
木部がザラついていたり、古いニスや汚れが残っている場合には、表面を研磨して滑らかに整える作業が必要です。
この工程に手間がかかるほど費用が上がります。
また、古民家などでヤニ・カビ・黒ずみがある場合は、専用洗浄剤や漂白剤を使用して下地を整える必要があり、追加費用が発生します。
ただし、この処理を丁寧に行うことで塗料の密着性が高まり、美しい艶が長持ちします。
2. 使用する塗料の種類
木部用の塗料には「自然塗料」「ウレタン塗料」「オイルステイン」「水性塗料」などさまざまな種類があります。
| 塗料の種類 | 特徴 | 耐久性 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| 自然塗料(オスモ・リボス等) | 木の呼吸を生かす安全塗料。匂いが少なく室内向き。 | 中程度 | 高め |
| ウレタン塗料 | ツヤがあり耐摩耗性が高い。床や建具向き。 | 高い | 中程度 |
| オイルステイン | 木目を生かす着色塗料。古民家などに人気。 | 中〜高 | 手頃 |
| 水性塗料 | 乾燥が早く臭いが少ない。小規模なDIYにも。 | やや低め | 安価 |
塗料のグレードを上げると、耐久性や美観は高まりますが、1㎡あたり数百円〜1,000円ほど費用が上乗せされることもあります。
また、自然素材の塗料を選ぶと、健康面に配慮した施工が可能です。
3. 養生(ようじょう)作業の有無
養生とは、塗らない部分を保護するためにマスキングテープやビニールで覆う作業のことです。
室内木部の塗装では、壁紙や畳、床を汚さないための養生が欠かせません。
特に、和室や既存家具がある部屋では養生範囲が広くなり、その分手間と時間が増えます。
4. 諸経費・人件費
現場までの交通費や材料搬入費、職人の人数によっても費用は変動します。
木部塗装は繊細な作業のため、通常2人以上の職人が担当し、施工期間は1〜3日程度が目安です。
出張費が発生する地域や、夜間作業・短納期対応を希望する場合も追加料金が発生します。
部位別に見る室内木部塗装の特徴とポイント
次に、実際の部位ごとに費用と作業内容を具体的に見ていきましょう。
柱・梁・鴨居など構造木部の塗装
和室や古民家で目立つ部分です。長年のヤニや埃が染みついており、下地処理が最も大変な箇所でもあります。
見た目をきれいにするだけでなく、防虫・防腐効果のある塗料を使うことで耐久性を高められます。
特に梁は高所作業になるため、脚立や足場の設置が必要になることもあり、費用はやや高めになります。
目安としては、1室(6〜8畳)で50,000円前後が一般的です。
建具・扉の塗装
扉や引き戸などの建具は、塗装範囲がコンパクトで費用を抑えやすいのが特徴です。
木製扉の両面塗りなら18,000〜24,000円程度、片面のみの塗装であれば10,000円前後でも施工可能な場合があります。
ただし、既に塗膜が厚く残っている扉の場合は、剥離作業が必要となり、追加料金がかかることもあります。
窓枠・巾木・小口の塗装
木製の窓枠や巾木(壁と床の境目にある木部)は、比較的低コストでリフレッシュできる部分です。
1メートルあたり800円〜1,000円、または㎡単価で2,000〜3,000円前後が目安です。
特に窓まわりは結露による劣化が起こりやすく、塗装による保護が長期的な耐久性を保つポイントになります。
費用を抑えるコツと見積もりの取り方
「なるべく安く済ませたい」という方も多いでしょう。
しかし、安さだけで選ぶと、塗料の品質や下地処理が不十分で、数年で剥がれてしまうケースもあります。
費用を抑えつつ、納得できる施工をするには以下のポイントを意識してください。
複数業者に見積もりを取る
同じ内容でも業者によって費用差が出るのはよくあることです。最低でも2〜3社に相見積もりを依頼し、施工内容と費用のバランスを比較しましょう。
「どこまで含まれているか(下地処理・養生・仕上げ)」を明確に確認することが大切です。
まとめて依頼する
扉や窓枠などの小規模塗装は、単体よりも「まとめ施工」にすることで費用を抑えられます。
職人が一度に作業できる環境を整えることで、移動費や段取り費を削減できます。
定期的なメンテナンスで長持ち
10年以上塗り替えをしていない木部は、塗装面の保護機能が低下しています。
早めの塗り替えを行えば、下地処理の手間が減り、結果的に安く済むこともあります。
まとめ:室内木部塗装は「家の表情を整える工事」
木部の塗装は、ただの「見た目の修理」ではありません。
それは家の空気を整え、空間に温かみを取り戻す工事です。
自然素材の木は、手をかければ何十年でも生き続けます。
塗装はその木を守り、美しく保つための「手入れ」です。
6畳の和室で5万円、古民家で10万円。
その費用で家全体の印象が驚くほど変わることを、ぜひ体感してほしいと思います。
弊社では、木の性質を熟知した職人が、一つひとつの部位に最適な塗料と技法を選び、丁寧に施工いたします。
「柱だけ塗りたい」「和室をまるごとリニューアルしたい」など、どんな小さなご相談でも構いません。
あなたの家に眠る木のぬくもりを、もう一度よみがえらせましょう。



















