しろくまコラム SHIROKUMA COLUMN
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コラム
古い家の隙間風対策はコーキングで変わる。DIYでできる施工手順
冬になると、どこからともなく冷たい風が入り込み、いくら暖房をつけても部屋がなかなか暖まらない。
そんな悩みを抱えている方の多くが住んでいるのは、「築20年以上の家」や「木造住宅」ではないでしょうか。
古い家では、外壁や窓まわりのコーキング(隙間を埋める防水・気密材)が劣化しており、そこから隙間風や湿気、さらには雨水まで侵入していることがあります。
「ストーブをつけても足元だけ寒い」「窓際からスースー風が入る」——それは家が悪いのではなく、家を守るコーキングが寿命を迎えているサインかもしれません。
この記事では、古い家の隙間風対策として有効な「コーキング補修」の具体的な方法と注意点、DIYと業者施工の違いまでを、誰でもわかるように丁寧に解説します。
読むころには、あなたの家がどこから風を通しているのか、そしてどうすれば“昔の暖かさ”を取り戻せるのかがきっと見えてくるでしょう。
目次
なぜ古い家は隙間風が入るのか?原因を知ることが第一歩
隙間風の主な原因は、経年劣化によるコーキングの劣化です。
外壁の目地や窓サッシまわりなどに使われているコーキング材は、ゴムのように柔軟に伸び縮みして外壁の動きや温度変化を吸収しています。
しかし、築年数が経つにつれて紫外線・雨風・温度差などの影響で硬化・ひび割れ・剥がれが発生し、そこから冷たい風が入り込むのです。
特に木造住宅は、季節や湿度で木材が収縮するため、わずかなズレでも隙間が生まれやすい構造です。
見た目には分かりにくくても、外壁とサッシの境界線、玄関ドアの枠、軒天との取り合い部分など、家のあらゆる箇所が風の通り道になっていることがあります。
コーキング補修を検討すべき3つのケース
古い家の隙間風を放置すると、暖房効率の低下だけでなく、内部結露やカビの原因にもつながります。
次のような症状が見られたら、早めの補修を検討しましょう。
1. 外壁のひび割れ・剥がれ
外壁の目地(継ぎ目)や塗装の境目に小さなひびや剥がれがある場合、そこから冷気や雨水が侵入しています。
特にモルタルやサイディングの外壁では、コーキングが劣化すると目地全体から空気が通り抜けるようになります。放置すると内部の木材が腐食し、雨漏りの原因にもなります。
2. 窓やドアまわりの隙間
アルミサッシのゴムパッキンや、壁と窓枠の間のコーキングが硬化すると、目には見えない隙間が生じます。
この部分は気密性に直結しているため、窓際での冷気の流入が最も多いポイントです。冬の冷気の7割以上は窓やサッシから入るとも言われています。
3. コーキングの劣化サイン
触るとボロボロ崩れる、表面が黒ずんでカビが生えている、細かい亀裂があるなどは完全に寿命を迎えています。
一般的なコーキング材の耐用年数は約5~10年。外壁など紫外線を浴びる箇所では、想定より早く劣化することもあります。
DIYでできる!古い家の隙間風対策コーキング手順
コーキング補修は、範囲が狭ければDIYでも対応できます。
ただし、正しい手順を守らないとすぐに剥がれたり、仕上がりが汚くなったりするため、慎重に進めましょう。
準備する道具と材料
- コーキングガン:コーキング材を押し出すための専用器具
- コーキング材:シリコン系または変成シリコン系が一般的
- カッター・スクレーパー:古いコーキングの撤去用
- マスキングテープ:施工箇所の両端に貼って仕上がりをきれいに
- プライマー:下地と新しいコーキングの密着性を高める下塗り剤
- ヘラ:表面を整える仕上げ道具
DIYで重要なのは、下地処理をどれだけ丁寧に行えるかです。
古いコーキングや汚れが残ったままだと、新しいコーキングが密着せず、すぐに剥がれてしまいます。
手順1:古いコーキングを撤去する
まず、カッターで古いコーキングに切り込みを入れ、スクレーパーなどで剥がします。
このとき、外壁やサッシを傷つけないよう慎重に行いましょう。
撤去後は中のほこりや汚れをブラシで取り除き、乾いた布で拭き取ります。
手順2:マスキングテープを貼る
隙間の両端にマスキングテープをまっすぐ貼ります。
これを怠ると、仕上がりが波打ったりはみ出したりして見た目が悪くなります。
特に窓まわりなど目立つ部分は、テープの幅を一定に保つのがコツです。
手順3:プライマーを塗る
下地と新しいコーキング材の密着性を高めるためにプライマーを塗ります。
塗り残しがあると、部分的に剥がれる原因になるため、筆などで丁寧に塗布しましょう。
乾燥時間(約5〜10分)を置いてから次の工程に進みます。
手順4:新しいコーキング材を充填する
コーキングガンを使って、隙間の奥から手前に向かってゆっくりと一定のスピードで充填します。
途中で止めずに、一気に打ち込むとムラなく仕上がります。
隙間の深さによっては、バックアップ材(隙間埋め用のスポンジ)を入れると、無駄なコーキングを使わずに済みます。
手順5:表面を整える
ヘラを水で軽く濡らし、押し付けながら平らに仕上げます。
力を入れすぎるとコーキングがへこむため、軽いタッチで表面を均一に伸ばすのがポイントです。
表面が滑らかに整えば、仕上がりの美しさと防水性能が格段に上がります。
手順6:マスキングテープを剥がす
コーキングが固まる前に、すぐマスキングテープを剥がします。
乾いてから剥がすと、コーキングが一緒に引っ張られてしまい、隙間ができてしまうことがあります。
剥がした後は24時間ほど乾燥させ、完全に硬化するのを待ちましょう。
コーキング補修で失敗しないための注意点
下地処理を怠らない
古いコーキングや汚れ、カビを残したまま新しいコーキングを打つと、すぐに剥がれてしまいます。
見た目がきれいに仕上がっても内部で密着していないと、効果は長続きしません。
適した材料を選ぶ
屋外には「変成シリコン系」や「ポリウレタン系」など、耐候性の高いものを使いましょう。
浴室やキッチンなど水回りには「防カビ剤入りシリコン系」がおすすめです。
用途を間違えると、ひび割れや変色を起こす原因になります。
DIYの限界を知る
コーキング作業は、1〜2cmの隙間ならDIYでも可能ですが、外壁全体や高所作業は危険が伴います。
また、外壁に複数のひび割れがある場合は、内部の防水層まで傷んでいる可能性があるため、プロによる調査が必要です。
無理をせず、状況に応じて専門業者に相談しましょう。
コーキングの寿命と定期的な点検の重要性
コーキングは永久に持つものではなく、約5〜10年で寿命を迎える消耗品です。
劣化が進むと、見た目では小さなひびでも、内部から雨水が侵入して構造材を腐らせることもあります。
特に北側や日陰の外壁、窓まわりなどは結露やカビが発生しやすいため、定期点検をおすすめします。
理想は5年ごとにチェック、10年で打ち替え。
早めのメンテナンスが、結果的に修繕費の節約にもつながります。
プロに頼むメリットと業者選びのポイント
DIYでは難しい箇所や広範囲の劣化は、やはりプロに依頼するのが安心です。
専門業者なら、劣化の原因を特定し、必要に応じて外壁全体の補修や塗装も一緒に行うことができます。
業者選びのポイントは以下の3つです。
- 断熱・防水工事の経験が豊富であること
- コーキング材の種類や工法を具体的に説明してくれること
- 見積書に「撤去・充填・仕上げ」などの工程が明記されていること
弊社では、単に隙間を埋めるだけでなく、「断熱」「気密」「防音」までを考慮した総合的なコーキング補修を行っています。
古い家の構造や素材に合わせた最適な施工を提案し、**“暖かさが戻るリフォーム”**として多くのお客様に喜ばれています。
まとめ:古い家の隙間風には、コーキングで確実な解決を
隙間風は、小さな不快感から始まり、やがて家全体の快適性を奪っていきます。
しかし、適切なコーキング補修を行えば、暖かく、静かで、長持ちする家へと生まれ変わります。
- 外壁や窓まわりのコーキングがひび割れていないかチェック
- DIYでは下地処理とプライマー塗布を丁寧に
- 広範囲・高所はプロに依頼して安全に施工
もし「冬になると家の中がスースーする」「外壁がひび割れている」と感じたら、迷わずご相談ください。
弊社では、地域の気候や建物構造を熟知した職人が、一件一件丁寧に隙間を塞ぎ、家の温もりを取り戻します。
古い家だからとあきらめないでください。
たった数ミリのコーキングで、あなたの暮らしは劇的に変わります。



















