しろくまコラム SHIROKUMA COLUMN
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コラム
外壁塗装が高いのはなぜ?高価な塗料の種類と選ぶべき理由を徹底解説
家を守るための外壁塗装。
見積もりを取ってみたら、「思っていたより高い」と感じた方は多いのではないでしょうか。
特に「高級塗料」と呼ばれるフッ素塗料や無機塗料は、他の塗料と比べて数十万円単位で価格差が出ることもあります。
しかし、外壁塗装の費用が高いのには理由があります。
単に「高い=贅沢」ではなく、「長持ちさせる」「美観を保つ」「将来の修繕費を抑える」といった“長期的な得”を考えると、むしろ賢い選択となるケースも少なくありません。
この記事では、外壁塗装で「高い」と言われる塗料の種類と特徴、そして選ぶべき人・状況についてわかりやすく解説します。
実際に現場で施工してきた職人の視点から、「なぜ高価でも価値があるのか」を具体的にお伝えします。
目次
外壁塗装が高くなる理由とは?
まず知っておきたいのは、「塗装費=塗料代だけではない」ということです。
塗料のグレードが上がると同時に、塗装工程の品質も変わります。
高価な塗料は耐久性・密着性・機能性が高いため、それに見合った下地処理や施工技術が求められます。
つまり、「塗料が高い」というより、「施工の品質を高めるための総合的なコスト」が上がるのです。
特に以下のような場合、費用が高くなる傾向があります。
- 耐久年数15年以上の高性能塗料を使用する場合
- 既存外壁の劣化が進み、下地補修が必要な場合
- 建物の立地(沿岸・豪雪地帯・高日照地域など)で耐候性が重要な場合
これらを踏まえた上で、次に「なぜ高い塗料が選ばれているのか」具体的に見ていきましょう。
高価な塗料の代表格と特徴
高価な塗料は単にブランドで値段が上がるのではなく、成分や性能が根本的に違います。
ここでは、特に人気の高い3種類の塗料を紹介します。
フッ素塗料 ― 高層ビルにも使われる耐久性の王者
フッ素塗料は、外壁塗料の中でも“最上位クラス”に位置します。
主成分である「フッ素樹脂」は、航空機や高層ビルなど過酷な環境下でも使用されるほどの耐久性を誇ります。
耐久性
一般的な塗料(ウレタンやシリコン)が10〜12年の耐用年数であるのに対し、フッ素塗料は15〜20年、製品によっては25年近く持つものもあります。
つまり、1回の塗装で次の塗り替えまでの期間を倍近く延ばすことができます。
性能とメリット
- 紫外線・酸性雨・排気ガスに強く、色あせしにくい。
- 塗膜が硬く、汚れが付着しにくい。
- 光沢が長持ちし、美しい外観を維持できる。
初期費用はやや高いですが、塗り替え回数を減らせるため、長期的なトータルコストはむしろ安くなるケースも多いです。
無機塗料 ― 劣化しない「ガラス成分」で半永久的な強さ
無機塗料は、ガラスや石などの“無機物”を主成分にした塗料です。
紫外線や酸化に強く、劣化スピードが極めて遅いのが特徴です。
耐久性
フッ素塗料と同等、またはそれ以上。
耐用年数は20〜25年といわれ、長期間塗り替え不要になることもあります。
性能とメリット
- 紫外線を受けても分解しないため、退色しにくい。
- 汚れを雨で洗い流す「セルフクリーニング機能」を持つ製品もある。
- チョーキング(粉吹き現象)が起こりにくく、美観を長く維持。
無機塗料は硬い性質を持つため、モルタルやコーキングの動きが大きい部分では、
ひび割れが起こる場合もあります。
そのため、下地の状態を正確に見極められる職人による施工が不可欠です。
ピュアアクリル塗料 ― 弾性と防水性に優れた“伸びる塗料”
一般的なアクリル塗料は安価で短命なイメージがありますが、「ピュアアクリル塗料」は不純物を徹底的に取り除き、品質を高めた高級アクリル塗料です。
耐久性
通常のアクリル塗料(5〜7年)に比べて、ピュアアクリルは15〜20年ほどの耐用年数を持ちます。
性能とメリット
- 弾性が高く、外壁のひび割れに追従しやすい。
- 防水性が高く、モルタルやRC(コンクリート)外壁に最適。
- 高耐久のうえ、汚れにも強い。
ただし、取り扱う業者が限られており、施工単価がやや高くなります。
それでも、防水機能を兼ねた塗料として選ぶ価値は十分あります。
高価な塗料と一般塗料の比較
| 塗料の種類 | 耐用年数 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| ウレタン塗料 | 約8〜10年 | 標準的なグレード | 柔軟で扱いやすい | 劣化が早い |
| シリコン塗料 | 約10〜13年 | 現在の主流 | コスパ良好・汚れに強い | 高級塗料より劣化早め |
| フッ素塗料 | 約15〜20年 | 高耐候・高光沢 | 長寿命・色あせに強い | 初期費用が高い |
| 無機塗料 | 約20〜25年 | 紫外線に強い | メンテナンス回数削減 | 施工難易度が高い |
| ピュアアクリル塗料 | 約15〜20年 | 弾性・防水性 | ひび割れに追従 | 取扱業者が少ない |
この表からも分かる通り、高価な塗料は単に「高い」だけでなく、長期的に見て塗り替えの手間・費用・ストレスを減らす投資と言えます。
高価な塗料を選ぶべき人・建物の特徴
すべての家に高級塗料が必要というわけではありません。
次のような方・建物には、長期耐久型の塗料をおすすめします。
- これからも20年以上同じ家に住む予定がある方
→ 長期的に塗り替えを減らせ、結果的にコストダウン。 - メンテナンスの手間を減らしたい方
→ 無機塗料などは汚れにくく、掃除もほとんど不要。 - 沿岸・積雪・強風地域にお住まいの方
→ 紫外線や雨・雪・塩害に強いフッ素・無機塗料が適しています。 - 建物の外観を長く美しく保ちたい方
→ 艶・発色・光沢を維持できるため、美観を長期間キープ。
高価な塗料を選ぶときの注意点
高性能塗料ほど、施工品質によって仕上がりに差が出ます。
塗料の性能を活かすには、次のポイントを押さえることが大切です。
1. 家の状態に合わせた塗料を選ぶ
どんなに高価な塗料でも、下地が傷んでいれば性能は発揮できません。
ひび割れや雨染みがある場合は、先に補修を行いましょう。
また、外壁材の種類(サイディング、モルタル、ALCなど)によっても最適な塗料は異なります。
2. 予算と長期コストを比較する
一見高額に思えても、15年後・20年後まで視野に入れると、「1回の塗り替えで済む」ことが大きな節約になります。
例えば、10年周期でシリコン塗料を2回塗り替えるのと、20年耐久の無機塗料を1回塗るのでは、結果的に後者の方が安くなるケースが多いです。
3. 信頼できる業者に相談する
塗料の性能は、施工の技術によって最大限発揮されます。
メーカー指定の施工方法を守り、適切な下地処理を行うことが大前提です。
弊社では、現地調査の際に「劣化状態」「日当たり」「周囲の環境」をもとに、フッ素・無機・アクリルなど複数の塗料を比較しながらご提案しています。
まとめ:高い塗料は「無駄」ではなく「未来への投資」
外壁塗装で高価な塗料を選ぶかどうかは、“今だけ”ではなく“これからの20年”をどう過ごしたいかで決まります。
フッ素塗料や無機塗料は確かに高価ですが、一度の塗装で長期間家を守り、美観を保つことができます。
見た目の美しさだけでなく、
家の寿命を延ばし、将来の修繕費を減らす「住まいの保険」のような存在。
「安い塗料で今をしのぐか」「高い塗料で長く守るか」その選択の違いは、10年後に必ず結果として現れます。
もし「うちはどれが最適かわからない」と迷ったら、現場経験豊富な業者に一度ご相談ください。
弊社では、実際の外壁の状態を見て、耐久年数・コスト・デザインのバランスを踏まえた最適な塗料をご提案します。
「高い塗料」は、“贅沢”ではなく“後悔しない選択”。
長く住む家だからこそ、未来を見据えた外壁塗装をおすすめします。



















