暮らしを楽しむ情報たくさんのしろくまコラム。

都会での暮らしは便利でも、夜空はビルに遮られ、休日に遠出するたび渋滞や混雑で疲れを溜め込む。
そんな悩みを抱えたとき、浅間山南麓に広がる小諸市が選択肢に浮かびます。
標高600 m超の涼やかな高原にありながら、北陸新幹線「上田駅」経由で東京駅まで最短1時間30分。
古城や宿場町の風情と、千曲川のせせらぎが織りなす風景は“信州らしさ”の詰め合わせ。
しかも晴天率は年間約200日と県内でもトップクラスで、四季のアウトドアを思い立った日に実行できます。

小諸市の立地

浅間山の裾野に位置する高原都市である一方、市域を貫く千曲川の河岸段丘が豊かな農地を育みました。
これに旧北国街道の宿場町と小諸城下町文化が重なることで、自然体験と歴史散策、そして食のストーリーが一本の観光動線として結ばれています。
この“HIGH＆LOW”の地形ギャップが、同じ日程で山岳トレッキングと城跡の紅葉狩りを楽しめる行動半径の小ささを生み、旅程の無駄を最小化します。

懐古園と北国街道小諸宿を巡る

小諸城址懐古園の特徴は、城郭が“城下より低い”珍しい穴城である点です。
三の門をくぐると眼下に見える谷底の空堀が天然の要害となり、春には約500本のソメイヨシノが石垣の段差を覆うように開花します。
遊歩道を進めば、島崎藤村『千曲川旅情の歌』に詠われた千曲川が視界に飛び込み、文学と歴史が交差する情緒を味わえます。
園内の義親殿では甲冑着付け体験が行われ、城兵目線で石垣を見上げると“守る城”より“守られる自然”の雄大さに圧倒されるはず。
門前の北国街道小諸宿に下りると、海鼠壁の商家とワインカーヴをリノベしたカフェが並び、蔵造りの軒下にはリンゴやクルミを使ったタルトの甘い香り。
400年前の街道と令和のスイーツ文化が同じ通りで同居するギャップに、小諸散策の奥行きを感じます。

高峰高原から千曲川源流域へ

小諸駅からバスで40分、標高2,000 mの高峰高原に立つと、八ヶ岳から北アルプスまでを一望する巨大な稜線パノラマが広がります。
夏はコマクサやヤナギランなど稀少な高山植物が咲き乱れ、早朝には雲海が浅間山の火口丘を包み込むドラマチックな光景が出現。
秋は紅葉前線が200 mずつ高度を下げながら千曲川へ流れ込み、山腹が黄から朱、そして深紅へと日々グラデーションを変えます。
ロングトレイル「浅間・八ヶ岳パスライン」を下れば、標高600 mの千曲川流域にたどり着き、カヌーで水鏡に映る紅葉を眺めることも可能。
“山頂から水辺まで一気に降りる”この標高差が、小諸のアウトドアを単なる登山で終わらせず、“縦走型ネイチャーツアー”へと昇華させてくれます。

小諸グルメ＆温泉早見表

小諸市を移住先に選ぶ３つの安心材料

第一に生活コストの安心。
市街地の空き家取得補助は最大200万円、リノベ予算の1/2を自治体が負担し、固定資産税も３年間半額になるため、持ち家ハードルが首都圏の1/3。第二に医療・教育の安心。
浅間山麓の一次医療を担う小諸厚生総合病院が24時間救急を受け入れ、佐久大学と連携した在宅看護支援も盛ん。
小中一貫校「小諸学園」はICT教育と山岳フィールド学習を組み合わせ、全学年が年１回“浅間火山ジオ学習”へ参加。
第三にコミュニティの安心。
子育て世代向けコワーキング「停車場ガーデンBASE」は託児併設で、移住者サロンや週末マルシェが常時開催。
こうした“住・医・育”の下支えが、小諸を単なる観光地で終わらせず「定住可能な高原都市」へ押し上げています。

千曲川の風が運ぶ歴史と高原の恵みを

懐古園の桜と石垣、浅間山の稜線と雲海、そして千曲川が磨いた水と土が育むフルーツと蕎麦。
これら多彩な要素が30分圏内で交差する小諸市は、“旅の濃度”と“生活の快適度”を同時に高める希少な都市です。
テレワーク後に高峰温泉で星を見上げ、翌朝は城下町カフェで信州リンゴタルトを頬張る。
そんな“高原ライトスタイル”を日常にする準備は整っています。
次の休暇、あるいは人生の次章へ踏み出すとき、小諸市という舞台で「便利と豊かさの二刀流」を体感してみませんか。