屋根は、台風や大雨、強い紫外線から家を守る大切な部分です。
しかし、普段目にする機会が少ないため、劣化状況を把握するのは難しいですよね。
屋根の点検を業者に依頼すると、思わぬ劣化箇所を指摘され、高額な修理費用を提示されることも。
「一体いくらかかるの?」「本当に必要な工事なの?」と不安になる方も少なくないはずです。
業者から屋根の傷みを指摘されても、費用の判断基準がわかりにくいことがあります。
屋根リフォームに関する情報を知らずに、安易に業者や工事方法を選ぶことがないようにしましょう。
今回は、屋根リフォームの種類や、屋根材ごとの費用について詳しく見ていきます。
屋根全体の工事と部分修復工事の違いや、使用する屋根材によって費用がどのように変わるのかを理解することが重要です。これにより、適切な判断を下し、安心してリフォームを進めることができます。
3つの屋根リフォーム工法

実は屋根リフォームには3つの工法があります。
屋根のリフォームを考えているけど、どの方法がベストなのか分からないとお悩みの方も多いのでは?
皆さんどんな基準で選ぶかというと、もちろんひとそれぞれですが、おおまかには「工事のしやすさ」「コスト面」「デザイン面」「地震なによる被害想定」といった点を考慮して選んでいます。
①屋根塗装工事
「まだ屋根の下地がしっかりしているなら、塗装で保護!」
✅ 劣化が軽度なら塗装でOK!
✅ 屋根の防水性・耐久性を向上!
✅ 比較的低コストで施工可能!(10〜20万円程度)
こんな方におすすめ!
・屋根材は傷んでいないが、塗装が剥がれてきた!
・できるだけ費用を抑えたい!
②屋根カバー工法(既存屋根に屋根を重ねる)
「屋根の傷みが進んでいるけど、解体は避けたいならコレ!」
✅ 古い屋根の上に新しい屋根材を重ねる工法!
✅ 解体工事不要だから、工期短縮&コスト削減!
✅ 断熱性・遮音性アップで快適な住まいに!
こんな方におすすめ!
・塗装では補修しきれないが、屋根材の崩れは少ない!
・工期を短く&解体費用を抑えたい!
③屋根葺き替え工事(既存屋根を撤去し新しく!)
「屋根が限界なら、まるごと交換で安心の耐久性!」
✅ 古い屋根材を撤去し、新しい屋根に!
✅ 下地までしっかり補修できる!
✅ 耐久性バツグン! 今後30年以上は安心
こんな方におすすめ!
・屋根材がボロボロで、下地の傷みも心配…!
・地震や台風に備えて、屋根を軽量化したい!
3つの屋根リフォーム費用
屋根塗装工事の費用

※一般的な塗料での費用目安です。また業者によって異なります。
屋根塗装工事は、屋根材がまだ比較的良好な状態のときに行うメンテナンスです。
まず、屋根の表面をしっかりと洗浄し、汚れや古い塗膜を取り除きます。
その後、屋根材に最適な塗料を選び、塗装を施します。塗料の種類によって、耐久性や仕上がりが異なるため、費用にも差が出てきます。
メリット
塗料にはいくつもの種類があり、それぞれ異なる特性と価格帯になっています。
目的と予算に合わせた塗料選びは、工事費用を抑えるための重要なポイントです。
また、効率的な施工計画により、工期を約2週間と短期間で完了させることも可能です。
デメリット
塗料選びを費用だけで判断すると、初回の工事費用は抑えられるかもしれません。
しかし、安価な塗料は耐久性が低く、塗り替えの頻度が増える可能性があります。
その結果、長期的には屋根リフォーム工事の総額が高くなることもあります。
また、塗装は屋根材の上に行われるため、下地となる屋根材が劣化していると、塗装ができない場合があります。
一缶あたりの塗料代の相場
塗料 | 耐久年数 | 費用 ※1缶あたり |
---|
アクリル | 約3年未満 | 5,000~10,000円 |
ウレタン | 約3~5年 | 5,000~15,000円 |
シリコン | 約5~7年 | 15,000~40,000円 |
フッ素 | 約7~10年 | 40,000~80,000円 |
無機 | 約10~15年 | 50,000~120,000円 |
光触媒 | 約10~15年 | 50,000~100,000円 |
※上記はあくまで目安です。塗料メーカーや製品によっても価格が異なります。
【塗料の主要成分ごとの価格と耐久性の関係】

屋根カバー工法の費用

屋根リフォームの重ね葺き工事、通称カバー工法は、既存の屋根をそのままに新しい屋根材を上から被せる方法です。
この工法は、葺き替え工事と比べて費用を抑えられるだけでなく、屋根全体の耐久性を向上させることが可能です。
選択できる屋根材には、スレート、金属屋根、アスファルトシングルがあります。
具体的な製品例としては、アイジー工業株式会社のガルバルーフ、日鉄住金鋼板のエバールーフ、ニチハのセンタールーフが挙げられます。
これらの製品は、それぞれ異なる特性を持ち、用途や好みに応じて選ぶことができます。
メリット
屋根の葺き替え工事とは異なり、既存の屋根をそのまま活用する工法では、解体費用や廃材処理費用が発生しないため、全体のコストを大幅に削減できます。
また、工事期間が短縮されるため、職人の人件費も抑えられます。
屋根材が二重になることで、断熱性や遮音性が向上し、より快適な住環境を実現します。
デメリット
屋根の下に湿気がたまらないようにするためには、換気口を設置して外気を取り込むことが重要です。
湿気の蓄積を防ぎ、建物の耐久性を向上させることができます。
「屋根リフォーム重ね葺き工事」に加えて、適切な換気を確保するための工事費用も考慮する必要があります。
屋根葺き替え工事の費用

※費用目安です。また業者によって異なります。
屋根葺き替え工事は、古くなった屋根材を取り外し、新しい屋根材を設置する作業です。
使用される主な屋根材には、スレート瓦、ガルバリウム鋼板、日本瓦があります。
メリット
屋根の葺き替えを行う際には、屋根材だけでなく、その下にある防水シートも同時に交換します。これにより、屋根全体の耐久性が向上し、長期間にわたってその機能を維持できます。さらに、軽量で性能の優れた屋根材を選ぶことで、地震が発生した際の建物の倒壊リスクを大幅に低減できます。屋根材選びは建物の安全性にも直結します。
デメリット
屋根全体の工事は、他の工事と比べて費用が高くなります。作業に伴い、古い屋根材の撤去が必要となり、その廃材処理費用も追加で発生します。これにより、総工事費用が増加することがあります。
屋根リフォーム工事の費用まとめ
3つの工法を費用順に並べると…
屋根塗装工事(最も低)
目安: 25万円~(屋根の広さや塗料による)
「屋根材はまだ使えるけど、塗装が剥がれてきた!」というケースなら、最小限の費用でメンテナンス可能!
屋根カバー工法(塗装ではカバーできない場合に!)
目安: 50万~150万円程度
既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねる工法なので、解体費用を抑えつつ見た目も新品にリフォーム可能!
屋根葺き替え工事(最も高コスト! でも耐久性◎)
目安: 100万~250万円程度
既存の屋根をすべて撤去して、新しい屋根に葺き替える方法。
屋根の構造から補修できるので、耐久性はバツグン!
※尚、費用は、屋根面積、工事方法、工事範囲、足場組立の有無に関係します。
屋根補修工事の場合
続いて屋根の部分補修工事の種類についてみていきましょう。
漆喰補修工事

日本瓦において漆喰は、は、重要な役割を果たしています。
この漆喰がひび割れたり劣化したりすると、接着剤としての機能が低下し、瓦のずれを引き起こす可能性があります。
さらに、漆喰が剥がれた部分から雨水が侵入すると、雨漏りの原因となり得ます。
日本瓦自体は50年から100年の耐久性を誇りますが、漆喰は約15年ごとに点検や補修を行うことが推奨されます。
どんな時に必要なのか漆喰補修工事
漆喰が劣化すると、補修工事が必要となります。劣化の具体的な症状としては、漆喰の剥がれや一部の落下が挙げられます。これにより瓦の固定性が低下し、結果として瓦がずれたり、割れや欠けが生じることがあります。これらの問題が発生した際には、補修工事が求められます。
瓦屋根補修工事
瓦屋根補修工事は、劣化や損傷を受けた瓦を取り替える工事です。
どんな時に必要なのか瓦屋根補修工事
瓦屋根補修費用相場 | 30万円~(10坪~30坪程度) |
瓦屋根にひびやずれ、劣化、ゆがみが生じると、雨漏りの原因となるため、早急な補修工事が求められます。
コーキング補修工事

コーキング補修工事は、建物の隙間を埋めるために使用されています。
この工事では、ゴムのような弾力性を持つ素材を用いて、雨水や湿気が建物内部に侵入するのを防ぎます。
特に、窓枠や外壁の接合部など、隙間が生じやすい箇所での使用が一般的です。
コーキング材には、ウレタン系やシリコン系があり、それぞれの特性に応じて選ばれます。
どんな時に必要なのかコーキング補修工事
打ち替え | 900~1,500円/m |
増し打ち | 500~1,000円/m |
コーキングが切れている箇所や漆喰の劣化箇所を修復することは、建物の耐久性を保つために重要です。
棟板金交換工事

家屋における板金とは、主にスレート系の屋根を固定するための金属部分を指します。
特に、屋根と屋根が交わる棟の接合部を覆う金属が棟板金です。
この棟板金は、雨水の浸入を防ぐ役割を果たし、屋根材をしっかりと固定します。
どんな時に必要なのか棟板金工事
棟板金を固定している貫板の腐食や劣化のため、棟板金が浮きがったり、台風などで飛んでいってしまっている場合、補修します。
台風や突風などの自然災害で損傷した場合、火災保険を使って修理することが可能なことがあります。
業者に依頼する前に火災保険の保険証券を確認し、保険の適用範囲内の補修であるのか、確認しましょう。
雨樋補修

雨樋は普段あまり意識されない部分ですが、適切なメンテナンスを怠ると雨水が家屋内部に浸入するリスクが高まります。
特に、雨樋工事には足場代が発生することが多く、その費用が雨樋本体の価格を上回る場合もあります。
このため、雨樋工事を行う際には、屋根や外壁の工事と同時に依頼するのが効率的です。
どんな時に必要なのか雨樋工事
雨どい工事費用相場 | 3,000円~/m(雨樋材料費含む) |
雨樋に隙間やひびがある場合、補修工事が必要となります。
補修工事の遅れは、雨が軒や外壁を伝うことにより外壁汚れの進行につながります。
また、直接雨が地上におちることによって、雨音が大きくなることにもつながります。
屋根材ごとの特徴と費用
屋根リフォーム工事を考える際、新しい屋根材の選択が必要になる場合があります。
屋根材の種類によって、見た目や耐久性、そして重量が大きく異なります。
スレート瓦の特徴とその費用
スレート屋根の劣化費用相場 | 5,000円~7,000円/(材料費・施工費) |
耐久年数 | 20~25年 |
スレート瓦は、薄い板状の屋根材として広く使用されています。
この瓦には、「天然スレート」、「石綿スレート」、「無石綿スレート」、「セメント系スレート」などの種類があります。
かつては石綿スレートが主流でしたが、石綿による健康被害が問題視され、現在では安全性の高い無石綿スレートが一般的です。
天然スレートはスレートの中で最も高価で、天然石を使用しているため、耐久性や美観に優れています。
メリット
スレート屋根は、他の屋根材と比べて費用が最も抑えられるのが特徴です。
色のバリエーションも豊富で、最大24色以上の選択肢があります。
さらに、スレートは約68キロ/坪と非常に軽量であるため、耐震性に優れた選択肢となっています。
デメリット
塗装の色が落ちやすいことから、定期的なメンテナンスが求められます。
具体的には、約10年ごとに再塗装が必要です。
また、素材の厚みが約5ミリと薄いため、衝撃に弱く、割れやすいという欠点があります。
ガルバリウム鋼板の特徴とその費用

費用相場 | 6,000円~8,000円/㎡(材料費・施工費) |
耐久年数 | 50年以上 |
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム、亜鉛、シリコンを組み合わせたアルミ亜鉛合金メッキ鋼板で、その耐久性と耐食性が特徴です。
この材料は、建築用屋根材や外壁材として広く利用されており、特に住宅や商業施設で人気があります。
メリット
亜鉛鉄板は、錆びにくい特性を持ち、アルミニウムの長期的な耐久性と組み合わさることで、優れた耐食性を発揮します。
この素材は、熱反射率が高いため、エネルギー効率の向上にも寄与します。
さらに、加工のしやすさから多様なデザインが可能で、建築における美観を損なうことなく使用できます。重量は約17キロ/坪と非常に軽量であるため、建物の耐震性を高めることができ、安全性の面でも安心です。
デメリット
ガルバリウム鋼板は、その薄さゆえに衝撃に弱く、簡単に凹むことがあります。
普及率がまだ十分でないため、施工に慣れた業者が少ないのが現状です。
そのため、ガルバリウム鋼板屋根の工事経験が豊富な施工業者を選ぶことが重要です。
経験豊富な業者であれば、適切な施工方法を理解しており、品質の高い仕上がりを期待できます。
日本瓦の特徴とその費用

費用相場 | 8,000円~10,000円/㎡(材料費・施工費) |
耐久年数 | 50年以上 |
日本瓦は、表面の処理方法によって3種類に分類されます。
まず、釉薬瓦はガラス質の釉薬をかけて焼き上げることで耐久性と美しい光沢を持たせた瓦です。
次に、無釉薬瓦は釉薬を使用せず、自然な風合いを重視した瓦です。
そして、いぶし瓦は製造の最終段階でいぶして炭素の皮膜を形成し、独特の銀色の光沢を持つ瓦です。
費用は釉薬瓦が最も高く、次に無釉薬瓦、そしていぶし瓦の順で比較的安価です。
メリット
この素材は防水性に優れ、耐久性が50年から100年以上と非常に長いです。
高温で焼成することで強度が増し、特に和風住宅に適しています。
デザイン性も高く、美しい仕上がりが期待できます。
デメリット
葺き替えを行う際には、費用が高額になることが一般的です。
また、瓦を支える漆喰部分は定期的な補修が求められます。
瓦の重量は約165キロ/坪と他の種類と比べて重いため、耐震性が低下する可能性があります。
屋根材費用まとめ
スレート瓦(最も低コスト!)
✅ 目安: 5,000円~8,000円/㎡
コストを抑えたいならスレート瓦!
現在、多くの住宅で採用されている人気の屋根材。軽量で施工しやすく、価格もリーズナブル!
メリット:コストが安い・デザイン豊富・軽量で耐震性◎
デメリット:耐久性がやや低め(20~25年)・定期的なメンテナンスが必要
ガルバリウム鋼板(コスパ&耐久性のバランス!)
✅ 目安: 6,000円~8,000円/㎡
最近人気の金属屋根材!スレートよりやや高価だが、軽くてサビに強い!
長寿命なので、長い目で見るとコスパ◎
メリット:軽量で地震に強い・サビにくい・メンテナンス頻度が少ない
デメリット:断熱性が低め・雨音が響くことがある
日本瓦(最も高価!でも耐久性は抜群!)
✅ 目安:8,000円~10,000円/㎡
昔ながらの和風建築に欠かせない、日本瓦!
初期費用は高いが、耐久性はダントツ!
しっかりメンテナンスすれば 50年以上 も持つ長寿命な屋根材!
メリット:耐久性最強・断熱&遮音効果◎・風格ある美しいデザイン
デメリット:重いため耐震性に注意・施工費が高い
屋根材を選ぶときには

屋根材を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを考慮することが必要です。
まず、屋根材の重量は木造住宅の耐震性に大きく影響します。
重い屋根材は地震の際に建物にかかる負担を増やす可能性があるため、軽量な素材を選ぶことで耐震性を向上させることができます。
また、屋根の勾配は使用する素材によって異なります。
例えば、金属製の屋根材は比較的緩やかな勾配でも使用可能ですが、瓦などの重い素材は急勾配が必要な場合があります。
適切な勾配を確保することで、雨水の排水性が向上し、屋根の寿命を延ばすことができます。
最後に、防火対策です。
特に火災が発生しやすい地域では、耐火性の高い屋根材を選ぶことが推奨されます。
金属屋根や特殊な防火加工が施された素材は、火災時の安全性を高める選択肢となります。
これらの要素を総合的に考慮し、最適な屋根材を選ぶことが、安心で長持ちする住まいを実現するための鍵となります。
最後に
屋根リフォーム工事を考える際には、まず屋根全体の補修が必要なのか、部分的な
工事で済むのかを判断することが重要です。
この判断を正確に行うためには、現場調査をしっかりと行い、工事範囲を明確に説明できる信頼できる施工業者を選ぶことが求められます。
施工業者の選定は、工事の質に大きく影響しますので、慎重に行いましょう。
また、リフォームを考える際には費用面だけでなく、長期的に住み続けるためのメリットとデメリットを考慮することが大切です。
屋根材の選択や工事方法によって、耐久性やメンテナンスの頻度が変わるため、これらの要素を総合的に検討することが必要です。信頼できる施工業者と相談しながら、最適なリフォームプランを立てましょう。
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