しろくまコラム SHIROKUMA COLUMN
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コラム
お肌に気になる紫外線、住宅も気にしてます。
目次
紫外線は住宅にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
しろくまペイントです。
住宅、特に外壁が劣化する一番の原因として挙げられているのが紫外線です。
毎日、紫外線を浴び続けていると屋根や外壁は将来的にどうなってしまうのでしょうか?
紫外線の種類
そもそも紫外線とは何なのでしょうか?
太陽が放つ光線は紫外線・可視光線・赤外線に分類されます。
人が目で認識できる波長の領域が可視光線です。
可視光線は虹に見られる「赤」「橙」「黄」「緑」「青」「藍」「紫」の7色で構成され、赤を超えた領域を赤外線、紫を超えた領域を紫外線と呼ばれます。
赤外線と紫外線は通常・人の目では認識できないことから、不可視光線とも呼ばれます。
不可視光線である紫外線はA・B・Cと波長が三種類に分けられます。
外壁に影響を与えるのがA・B波です。
人間の日焼けや老化の原因にもなっています。
Cはオゾン層などで吸収され地表にとどきません。
紫外線が住宅に及ぼす影響
外壁の塗膜を破壊して劣化させていくのがA・B波になります。
紫外線は目に見えないので確認する事ができません。
ところでなぜ、紫外線は物質を劣化させるのでしょうか?
紫外線は電波などと同じく電磁波の一つでエネルギーを持っています。
ここで抑えておきたいのが、前章でお伝えした光の細分化です、それぞれ波長の長さ、短さで色が異なって見えます。
虹のイメージ図を見ていただくと分かるように、上から赤外線(赤色)⇒可視光線(橙・黄・緑・青・藍色)⇒紫外線(紫色)の領域となり、波長の長い順では赤外線⇒可視光線⇒紫外線となります。
電磁波は短い波長のものほどエネルギーが高く物質を透過します。
他の電磁波を合わせると波長の長い順に電波(長波・中波・短波・超短波・マイクロ波)⇒赤外線⇒可視光線⇒紫外線⇒X(エックス)線⇒γ(ガンマ)線となります。
電磁波のエネルギーが原子間の結合を断ち切ってしまうことも劣化を起こす原因です。
また、物質の中には紫外線のエネルギーを受けることで励起状態になるものがあり、顔料の中で生産量が最も多い酸化チタン(チタン白)もそれにあたります。
酸化チタンを含む塗料に光があたると、脱色・褪色し、チョーキング現象が起きます。
この現象は光科学作用によるもので、塗料として用いる場合にはもっぱらネガティブに働き、樹脂の破壊などを引き起こします。
以下、紫外線による塗料劣化のメカニズムです。
紫外線を吸収すると価電子帯の電子を伝導体に励起し、必然的に価電子帯の正孔を生じることによる。もし水と接触すれば表面酸素から電子を奪いO2を生成するし、表面付近のOH-をも酸化する。また、この正孔は直接、多種類の有機物をも酸化する。塗料の劣化もこの正孔により引き起こされるもので、この場合、光で生じた正孔が酸化チタンに接触するヒビクル(展色材)を酸化し、その際フリーラジカルが生じ、ラジカル連鎖反応を起こすものと考えられる、他に表面OH基や付着したH2Oを酸化し、OHラジカルが生じ、これが有機物を酸化するとも考えられている。
分かりやすく言えば、生物や自然界はこの作用を利用して自分の身体にないものを紫外線の化学作用で生成しますが、人間が作った化学反応物質には反対に悪い影響を及ぼしてしまいます。
例えば排気ガスや工場から排出される化学物質に紫外線があたると有害物質になり、光化学スモッグに変化します。
また紙などの印刷物が紫外線にあたると色あせてしまうのは合成化学塗料が化学反応を起こしているからで紫外線が悪いのではなく人間が作った人工物に反応しているからです。
酸化チタンに紫外線が当たると酸化チタン表面から電子が飛び出ます。
電子が飛び出た穴を正孔(ホール)といいプラスの電荷を帯びています。
正孔自体が強い酸化力をもっているので大気中の水分に含まれているOH-(水酸化イオン)などから電子を奪います。
奪われたOH-は非常に不安定な状態でOH-が酸化してOHラジカルに変化します。
OHラジカルは強力な酸化力を持つので近くの有機物から電子を奪います。
OHラジカルに電子を奪われた有機物は結合を分断され、二酸化炭素や水として最終的に大気中に分散されます
人や動物は新陳代謝で細胞を再生できますが、物質はそうもいきません。エネルギーを持つ紫外線は物質を劣化させる外的要因の一つです
長野県の月別紫外線量『累年平均値』
長野県のUVインデックスです。
日本の地域ごとの紫外線の強さは年間を通して北の方が弱く南にいくほど強くなる傾向があります。
長野県は、標高が高く紫外線が弱いイメージがありますが。全国的に見ても決して弱い地域ではありません。
紫外線から住宅を守るために
女性もそうですが紫外線から肌を守る為に化粧をしますよね。
住宅も同じように定期的に塗装を行わなければなりません。
紫外線の強さも立地や地域によって違いますが
長野県松本市は全国で一番、紫外線が強い地域だといわれています。
塗料選びでもどれだけ紫外線に対する劣化を少なくできるかを考えましょう。
劣化スピードが遅くなればそれだけ家は長持ちします。
最近ではラジカル制御型塗料と呼ばれる劣化のスピードを抑える新たな位置づけの塗料が発売されました。
その名の通り、ラジカルを制御する塗料です。
今後、シリコンに変わりスタンダードな塗料となっていくと考えられています。
ラジカルとは、紫外線や風雨が、顔料に含まれる酸化チタンと触れることで発生する物質で劣化を進行させる原因となります。
ラジカル制御塗料は発生したラジカルを逃がさず閉じ込める性質を持っています。
そのためラジカルを表面に出しません。
塗料の価格が安いのですが、性能が高いため、他の一般的な塗料と比べてもコストパフォーマンスに優れます。
ラジカル塗料おススメです。
塗料の耐候性と価格の比較
塗料名 | 外壁 | 屋根 | コスト |
---|---|---|---|
フッ素 | 約12年~15年 | 約12年~15年 | ◎ |
ラジカル | 約10年~12年 | 約10年~12年 | ○ |
シリコン | 約9年~10年 | 約9年~10年 | ○ |
ウレタン | 約6~8年 | 約6~8年 | △ |
アクリル | 約5年 | 約5年 | △ |
紫外線に強いラジカル塗料の商品名と特徴
ラジカル塗料を販売しているメーカーが増えてきています。
販売されてから日が浅いのでシリコン塗料のような知名度はまだありません。
塗料も水性と溶剤タイプがあり、販売しているメーカも増えていますが、ラジカル制御を前面にだして販売しているメーカーもあればそうでもないメーカーもあるので、販売されているラジカル塗料の商品名と特徴を掲載します。
パーフェクトトップ(日本ペイント)
2012年に販売された塗料で、紫外線による塗膜劣化対策として日本ペイント独自のラジカル制御技術によってシリコン塗料を超える耐候性をもっています。
シリコン系の塗料ですがフッ素塗料に近い耐久年数を持ち、かかる費用もシリコン並みにリーズナブルとなっています。
塗料の種類も水性タイプ・1液溶剤タイプ・臭いの問題に配慮した、バラの方向成分を加えた水性タイプが販売されているので壁だけでなく、鉄部の塗装まで幅広く対応することができます。
SKプレミアムシリコン(SK化研)
2014年に販売された塗料で、1液の水性シリコン塗料になります。
プレミアムシリコンの特徴は、外壁表面を高緻密無機シールド層と高緻密有機シールド層でダブルでガードすることによりラジカルの発生をさらに抑制します。
また、超耐候形特殊ハイブリッドシリコン樹脂は劣化因子を捕捉し、塗膜の劣化の進行を抑制。
長期的な保護効果を示し、塗膜の耐候性を向上させます。この3つのトリプルガード効果によって住まいを長期的に守ります。
アレスダイナミックトップ(関西ペイント)
2016年2月頃に販売された塗料で、1液の水性シリコン塗料です。
他社同様ラジカル制御塗料という点では変わりないのですが、他のメーカーにない特徴として下・中塗り材である「アレスダイナミックフィラー」さらに「ダイナミック強化剤」と組み合わせる事で、従来は塗装できなかった湿潤面への塗装も可能になります。
例えば梅雨時期だけでなく湿度の高い場所(北面・水まわり付近・日陰)にも有効です。
ロイヤルベスト(菊水)
2015年に販売されたラジカル制御塗料で、屋根に塗装する1液弱溶剤型ロイヤルベストSと水性タイプのロイヤルベストWがあります。
デンスシリカ処理でラジカル発生を抑制し高耐候性を実現し塗膜の紫外線劣化を抑止するために紫外線吸収剤が配合されています。
その他にもシロキサン結合による高耐候性・低汚染性だけでなくセラミック成分も配合されているので汚れが付着しにくくなります。
まとめ
ラジカル塗料は、需要の高いシリコン塗料との大きな違いとして、各メーカーが謳っているよう紫外線劣化のスピードが遅いです。
長野県は全国的に見ると比較的、紫外線が強い県になります。
地域によっては特に紫外線が強い場所もあることが、気象庁のUVインデックスにより分かっています。
建物の部位・部材に使用されている建材が紫外線によって褪色している場合で、その褪色がメーカが試算する耐候年数より早い場合には紫外線が強い地域であると想定できます。
耐久性の面を考えラジカル制御塗料をオススメします。
紫外線に強いだけでなく、高い防汚・防かび効果を持っているのも特徴です。