しろくまコラム SHIROKUMA COLUMN
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コラム
冬の外壁結露の原因とは?そのリスクと対策を解説
冬の朝、外壁がうっすら濡れていたり、壁の内側でカビ臭がしたり。
それは「結露」が原因かもしれません。
結露は“冬の寒さ”だけでなく、“家の構造”や“外壁の通気性・断熱性”が大きく関係しています。
放っておくと、外壁の内部でカビが繁殖し、断熱材が湿って性能が落ち、最悪の場合は木材が腐ってしまうこともあります。
「暖房を入れても部屋が冷える」「壁紙がしっとりしている気がする」
そう感じているなら、すでに壁内結露のサインです。
この記事では、外壁を“冬でも結露しない”状態に保つための建築的・塗装的な対策を、専門知識がなくても理解できるように丁寧に解説します。
見た目だけでなく「中から守る」外壁の考え方を知ることで、家の寿命を10年以上延ばすことも可能です。
目次
冬の外壁が結露する原因とは
外壁の結露には、「表面結露」と「壁内結露」の2種類があります。
表面結露は、外壁の表面温度が露点(空気中の水蒸気が水滴に変わる温度)を下回ったときに発生します。
一方、壁内結露はさらに厄介で、壁の内部で発生し、外からは見えません。
たとえば、室内で発生した水蒸気が壁の中に入り込み、冷えた外壁面で冷却されて水滴に変わる。
これが「壁内結露」です。
外壁の塗装をいくら綺麗にしても、この内部結露を防げなければ、内部の構造材や断熱材が徐々に劣化していきます。
結露は「温度差」「湿度」「通気性」の3つの条件が重なったときに発生します。
つまり、外壁の温度を一定に保ち、湿気を逃がす仕組みをつくることが、最大の防止策となるのです。
外壁構造から見直す|建築的な結露対策
通気層を設けて湿気を逃がす
最も効果的な対策のひとつが、「外壁の通気層構造」です。
外壁材と断熱材の間に“空気の通り道”を設けることで、湿気が壁内にこもらず、外部へと自然に排出されます。
この構造は新築時はもちろん、リフォームでも一部可能です。
ただし、通気層を新たに設けるには外壁の張り替えが必要になる場合もあり、施工技術が求められます。
しかしその分、壁の中の空気が流れるようになり、カビや腐食のリスクを大幅に減らせます。
外断熱工法で温度差を小さくする
次に効果的なのが「外断熱工法」です。
壁の外側を断熱材で覆うことで、外気温の影響を最小限に抑え、室内側との温度差を減らします。
この工法の最大のメリットは、壁内の温度が安定するため、結露の原因となる“冷たい外壁面”をつくらないことです。
冬の冷気が壁内に伝わらず、内部が常に乾いた状態を保てます。
既存住宅では工期や費用がかかるものの、断熱性能・耐久性・快適性をトータルで考えると、外断熱は非常に価値の高い投資です。
断熱材を追加して冷気をシャットアウト
古い住宅では、断熱材が薄かったり、施工にムラがあったりすることがあります。
そのような家では、壁の内部で温度差が大きくなり、結露が起こりやすくなります。
この場合、リフォーム時に断熱材を追加するだけでも、結露防止効果を高められます。
断熱材にはグラスウールや発泡ウレタンなど種類がありますが、重要なのは「隙間なく施工する」こと。
少しの隙間でも、そこに冷気が入り込めば結露の原因になります。
外壁塗装でできる“結露しない外壁”の作り方
外壁塗装には、見た目の改善だけでなく「結露を抑える」効果を持たせることもできます。
ここでは、塗料選びの観点から、冬の結露対策に効果的なポイントを紹介します。
親水性塗料で水滴を残さない
外壁表面で結露が起きると、水滴がそのまま残って乾きにくくなります。
これが長期的に続くと、カビや藻の繁殖につながります。
その対策として有効なのが「親水性の高い塗料」です。
親水性とは、水となじみやすい性質のこと。
塗膜表面に水滴ができにくく、水が“膜”のように広がって自然に流れ落ちます。
結果として、乾きが早く、汚れやカビが付着しにくくなるのです。
代表的な親水性塗料には、「低汚染型塗料」「光触媒塗料」などがあります。
これらは雨が降るだけで汚れを落とし、見た目の美しさも長持ちさせます。
断熱・遮熱塗料で温度差を減らす
結露の原因は「温度差」です。
外壁の温度が低く、室内との温度差が大きいほど、結露は発生しやすくなります。
そこで効果的なのが、断熱・遮熱性能を持つ塗料です。
断熱塗料は、外気の冷たさを遮断し、外壁の内側が冷えにくくなります。
また、夏場は逆に熱を遮り、室内の温度上昇を防ぎます。
代表的な製品としては、宇宙技術を応用した「ガイナ」や高反射率の「アドグリーンコート」などがあります。
こうした塗料を使うことで、冬場の結露を抑えるだけでなく、冷暖房費の節約にもつながります。
外壁の色選びでも結露対策ができる
意外かもしれませんが、「外壁の色」も結露に関係します。
黒や濃いグレーなどの濃色は太陽熱を吸収しやすく、日中は暖かくなりますが、夜間に急激に冷えやすいため、温度差が大きくなります。
一方、白やベージュなどの明るい色は温度変化が穏やかで、結露が起こりにくい傾向にあります。
冬場の結露を防ぐなら、淡い色の外壁を選ぶのも効果的な方法のひとつです。
室内からのアプローチで防ぐ壁内結露
防湿・気密シートで湿気の侵入を防ぐ
結露の多くは、実は「室内の水蒸気」が原因です。
料理・入浴・洗濯・加湿器などで発生した水蒸気が壁の中に入り込み、外壁面で冷やされて結露します。
そこで重要なのが「防湿気密シート」です。
これは室内側の石膏ボードの裏などに施工し、水蒸気が壁内に入るのを防ぐものです。
特に寒冷地や高気密住宅では欠かせない対策で、内部結露の発生を大幅に抑えられます。
定期メンテナンスで小さな隙間を見逃さない
どんなに性能の良い塗料や断熱材を使っても、外壁にヒビや剥がれがあれば、そこから湿気が侵入します。
特にサイディングの目地(コーキング部分)は劣化が早く、そこからの雨水や水蒸気の侵入が壁内結露の原因になります。
年に一度は外壁の点検を行い、ヒビや剥離を早めに補修しておくことで、結露やカビのリスクを最小限に抑えることができます。
結露しない外壁づくりのまとめ
外壁の結露対策は、「表面」と「内部」両方からのアプローチが必要です。
| 対策方法 | 効果 | 注意点 |
|---|---|---|
| 通気層を設ける | 湿気を逃がし壁内を乾燥状態に保つ | 大規模工事になることもある |
| 外断熱工法 | 温度差を小さくし結露を防ぐ | 費用が高めだが効果は絶大 |
| 親水性塗料 | 表面の水滴を残さない | 定期的な塗り替えが必要 |
| 断熱塗料 | 温度差を抑えて結露を軽減 | 専門業者による施工が望ましい |
| 防湿気密シート | 壁内への水蒸気侵入を防ぐ | 内装工事が必要になる場合あり |
結露は「見えない外壁の敵」とも言えます。
放置するとカビ・シロアリ・構造劣化を招き、住まい全体の健康を損なう恐れがあります。
だからこそ、外壁リフォームのタイミングで“結露しない構造”を一緒につくることが大切です。
弊社では、通気構造・断熱性能・塗料特性のすべてを考慮した施工プランを提案しています。
「冬でも暖かく」「カビのない家で」「長く安心して暮らしたい」そんな住まいを叶える第一歩として、外壁の結露対策を始めてみませんか。



















