長野市鬼無里地区に残る鬼女伝説

戸隠山に残る鬼女伝説

もうすぐ節分ですね。
本日は節分にちなんで、長野市鬼無里に残る鬼女伝説についてお伝えします。

長野県北部にある戸隠山には鬼女伝説が伝わっています。

平安時代中期に平維持という武将が勅命を受け、悪事を働く鬼女を討ち取ったという話で、鬼女の名前は紅葉(もみじ)とされます。

紅葉は妖術を操り、悪事を重ねていたと江戸時代に書かれた古文書に記載されています。
能や浄瑠璃、歌舞伎でも「紅葉狩」の演題で知られています。

一般的な伝説とは違うストーリーが残る長野市鬼無里地区

長野市鬼無里

ところが、こうした一般的な伝説とは違うストーリーが長野市鬼無里地区に残ります。
紅葉が妖術を操ったものの、医学や文芸、手芸に優れ、村人に恵みをもたらしていたというのです。

紅葉は奥州の会津生まれで、若くして京の都に上り、源経基の局となります。
懐妊しますが正室の嫉妬を受けてこの地に配流されたとされています。

紅葉は村人に算術や読み書き、裁縫を教えるとともに、今日の文化を伝え、たいそう慕われていました。
村人は京を忘れられない紅葉のために、屋敷を建てたうえ、村の中に西京、東京などの地名をつけました。

紅葉の産んだ子供は男子で、経若丸と命名されましたが、庶子の成長を嫌がる宮人の意向で追討の対象になり、討ち取られてしまいます。

地区内にはこの伝承に基づく、さまざまな地名が今も残り、案内板に見ることができます。
主なものは二条、三条、四条といった小字のほか、春日神社、加茂神社、内裏屋敷など山里に似つかわしくないものばかり。
清水、高尾、東山という地名も残っています。

松厳寺

地区内にある松厳寺には紅葉の墓があり、鬼女の墓と書かれた標柱が建てられています。
内裏屋敷という地名が付いた地区からは、古代のものとみられる土器や黒曜石、礎石も出土しました。

鬼無里地区は2005年の平成の大合併で長野市の一部になりましたが、それ以前は鬼無里村で、北信濃の山深い里です。

戸隠山も近く、山々を眺めていると、鬼女伝説が真実でも不思議でないような雰囲気を持っています。
紅葉伝説の舞台となる加茂神社や墓所の松厳寺を訪ね、京都めいた地名の場所を散策すれば、遠い平安時代を身近に感じられるかもしれません。

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しろくまくん
この記事はしろくまペイントが編集・監修しました。

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